★母と息子の子供の日。4★


 

一人の食事をさっさと終わらせ、暇をもてあましてしまった私は暫くテレビを見ていたけれど、ふとブラウン管に映る映像をみて、思いたった。

「そうだ!!アレをだそうかしら?」

そう思って、押入れの奥を探し始める。

ゴソゴソ、と奥のほうから取り出した大きな箱。
ふたをあけると、懐かしい五月人形が出てくる。

「なつかしいわぁ」

最近では、ヒカルもすっかり大きくなったので出す事のなかったけど…、と私は人形の頭を整えながら机の上に置いた。

コレを買いに行ったとき、祖父や祖母も交え皆で買いにいったのだ。

『このお腹の子が強い子になりますように』

そう思って、この勇ましい顔の人形を手に取ったときが遠い昔のようにも、ついさっきのような気もするのだ。


無事でいてくれれば…無事に生まれてきてくれれば…それでいい。


そう思ったあの日を、思い出す。

(そうね…、そうよね。あの子は無事に生まれてきてくれた。それだけで…)

それだけであり難いと思おう。
自分はあの子を信じて、見守っていこう。


16年前に思ったあの決意を、もう一度胸にするように、私は五月人形を胸に抱いた。

 

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