★永久に君と5★

THANKS 10000HIT&七夕祭り

--ヒカル2--

「進藤?」

目のまで、影が揺れる。

オレが、一瞬考えを巡らしてると、…そんなオレを心配するように…怒るように、塔矢がオレを覗き込んでた。

「わりぃ。ちょっと、思い出しててさ。」

「?」

「だからさ、今回のことはさ…研究会のときにちょっと話があがってさ〜人手が足りないって事だったから。和谷には世話になってるしさ。」

オレがそう言って笑うと、塔矢は納得がいっていないという顔をしながらも、そのことは追求しなかった。

塔矢ってなんでこう…変なところで勘がいいんだろう?

(オレのことだから…?)

あながち自惚れじゃ、ないだろ〜って事が怖いんだけど…目の前の塔矢はもっと怖い。

オレをまっすぐに見る目は、オレの嘘を見逃さない…て勢いを感じる。
実際、オレが嘘をついてなかったら、 こんな風に疚しく感じることもないんだろうけど。
塔矢に言ったことは半分は本当で、半分は嘘だったから。

囲碁をやる子供に、昔からの行事を忘れてほしくない…って言い出したのはオレで…、それから発展して今回のイベントが決まった。
だから、オレも協力することになっちまったけど、そのことに関しては後悔もしてないし、むしろ嬉しい。
オレは…昔からの行事を子供たちに教えることで、少しでも…オレと共に過ごしてくれた囲碁幽霊を懐かしみたいのかもしれない…。

(いや、違うな。)


懐かしむ…なんてもんじゃなくて、刻みたいんだ。
囲碁だけじゃなくて、一分一秒の時の中で、歴史に名前が残らなかったあいつだけど…やさしくて自然を愛した誰よりもオレの近くにいてくれたアイツを…。

「で、キミは何をやるの?」

ほっとしたのも束の間、台本をパラパラとめくっていた塔矢が、オレにむかって微笑んだ。

目は相変わらず笑ってなかった…。


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