7/2…イベント当日
--ヒカル4--
「なぁ〜?相手役の子ってまだこねぇーの??」
オレは、自分の衣装に着替えて舞台の袖で出番を待ってる状態だ…。 なのに、相手役…織姫の彼女がまだ来ない…。 オレだけじゃなくって、監督の和谷も苛立ってるのが分かる。
「ブツブツ…」
オレの声なんて聞こえないみたいに、ウロウロしながら何か言ってやんの。
(ナニ言ってんだんだろ?)
オレは、ちょっと気になってソーっと和谷のほうに体を近づけて耳を澄ませる。
と、
『うう〜、こうなったら、越智に女装させて…うん、背的に言えば、ぴったりじゃん…それしかねぇ!!』
(……んぎゃわぁ〜〜!!) 聞くんじゃなかったぜ…
は…早く…来てくれ…オレの相手役の女の子〜〜〜!!
オレは、頭に浮かんできた越智の女装姿を追っ払うと必死になって祈った。
と、和谷の携帯が震える。
それすらにも気付かず、まだブツブツ言ってる和谷にオレは恐怖を抱きながら
「おーい、和谷携帯!!」
そういいながら、和谷の体をつつくと、やっと正気に戻ったみたいで
「オウ!わりぃ…」
そういいながら、携帯をみる。 今回の劇は、始まりから舞台の両端から出てくことになってるから、携帯のメールが両袖に待機してるオレ達の連絡手段だ。 特に監督である和谷には、さっきから引っ切りなしに向かい側の袖にいる和泉さんから連絡が入ってきてる。 オレも気になって、和谷の様子を伺ってると、眉間にしわがよりまくってた奴の顔がようやく何時もの爽やか〜(だとオレは思う…)に変わった。
「向こう側に織姫が到着したみたいだぜ!!」
舞台スタートまで、あと10分…。ホントにぎりぎりにだけど…なんとかスタートできそうだ。
(どんな織姫だって、越智の女装よりはマシだろーし!!)
オレは、まだ見ぬ織姫に向かって感謝しつつ、舞台の袖に向かった。
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