★永久に君と18★ THANKS 10000HIT&七夕祭り |
7/2…イベント当日 --奈瀬4-- 「もしかして…、進藤君とお付き合いされているのかしら?」 私は、明子夫人から発せられたその言葉に、 「えー!????」 大きな声を上げてしまった。 迫力ある切れ長な瞳で見つめられて、私の喉はすっかりカラカラになってたけど…そんな事さえ忘れちゃうくらい、びっくりしたから。 (進藤と…私???) てっきり、息子の塔矢アキラとの付き合いを疑われてるのかと思ったのに、彼女の口から飛び出したのは… (なんで、進藤?????) 『それだけは、絶対無い!!!!!!』 私は心の中で力いっぱい叫んだ。 私は、アイツが中学生の頃から知ってる。チビで碁だってテンで弱いのに言ってる事は大きくて『塔矢のライバル』って入ってきた進藤に、最初は『なに、言ってんのよ!!』って気持ちでいたりもした。 確かに顔は黙ってれば可愛いけど、口を開けば生意気だしうるさいし…腕だって私より全然弱くて。 いつの間にか、私を飛び越えてプロになった進藤。 その成長振りには驚いたけど…例え強くなったって、身長が私より上になったって、棋院のアイドルみたいになったって、周りの女の子が騒ぎ出したって…。 (進藤は進藤!!) あの我侭さと頑固さは全然変わってない。 (あんなのに、付き合えるのは塔矢ぐらいなもんよ!!!) あのマイペース大王といつも一緒にいる…塔矢アキラを思い浮かべて私は、もう一度大きく心の中で叫んだ。と、思った。 「まあ…。」 「……」 驚いたように首を傾げる明子夫人と、ただ黙ったままお茶を飲んだ塔矢名人に気付いて私は顔が赤くなるのを感じた。 (や…やばい…) ついつい、力がはいって、口にも出てしまったらしい言葉の数々に私は今度は顔が青くなる。 「あ…あの、ごめんなさい!!私ったら…。」 よりにもよって、塔矢のことを呼び捨てにして…なんだか、訳が分からないことをいってしまって…私が、謝ろうとして、顔を上げると微笑む明子夫人の顔が眼に入った。 「あら、てっきり…奈瀬さんと進藤さんがお付き合いしてらっしゃると思って…私ったら、とんだ勘違いね。ごめんなさい。」 と、少し頬を赤らめた彼女に、謝られて… (かわいい…) 年上の女性なのに…さっきまで、なんだか怖い思いすらしたのに、とっても可愛らしく見えて私は、ホッとしてしまった。 「いいえ。進藤は、院生の頃から知ってるし…弟みたいにしか見えないんで…。それに、私お付き合いしてる人…いますから。」 私が、そう言うと目の前の彼女の顔色が益々明るくなったように思える。 (よかった…彼女に嫌われたわけじゃなくって…。でも、なんで??) なんで、進藤??やっぱり、そこが気になった。 塔矢が進藤を気にするのは、もう仕方ないことだし…正直、棋院でもそれが普通みたいにすらなってる。 日本棋院を代表をする龍虎と呼ばれるライバルたち…。 負けたくないと思っていても、あいつらは別格だって…どうしても思い知らされることがあるから。 (きっと、アイツ等しか分からないことがあるんだ…) そう思うしかない。 でも…。 (なんで、ライバルの親まで…??) 息子より先に、ライバルに彼女ができたりするのが嫌だとか??? イマイチ説得力にかける気がする…。 上機嫌でしゃべる彼女の笑顔を見ながら、やっぱり納得がいかなくて…私の頭を、この場をセッティングしてくれた塔矢の腑に落ちない態度や条件が頭をよぎった。 (塔矢と進藤…) 私は、なんとなく分かりそうな気がして仕方なかった。 (小学校の頃からの知り合いだって言う二人…) (互いに力を同じくするライバル…) (進藤に黙って私に約束をしてきた塔矢…。) それに、あの塔矢の私に対する冷ややかなまなざしと…。 (進藤を見るときの…) 熱心なまなざしと…。 もう少しで答えが見えそうだけど…もやが掛かったような頭に、明子夫人の弾んだ声が聞こえる。 「そう、やっぱり進藤君と付き合えるのはアキラさんだけなのね!」 後ろにハートマークさえ浮かんできそうな、彼女の弾む声に私は喉の引っかかってた骨が取れたように…全てがすっきりした。 (……まさか…親公認…って訳?) 私だって女子高生だから??友達が持ってくる、男同士の恋愛の漫画とか…読んだ事あるけど、まさかこんな身近に…本当にあったとは…。 私は知らなくていいことを知ってしまったような気がして、少し気が重くなった…。 (もぉ!これから進藤の顔見たら、どうしたらいいのよ!!!!) まあ、それでも二人がもう付き合ってるか…とかは分からないし、実は塔矢の片思いかもしれないし…とは言え、これは使える!!私はひらめくものを感じた。 多少進藤に申し訳ない気持ちを感じながらも… (正直…男同士って興味あるけど、今は他人の恋路より自分の未来よ!!!!) そう腹をくくると、私は塔矢夫人にむかって微笑んだ。
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