★永久に君と17★

THANKS 10000HIT&七夕祭り

7/2…イベント当日

--行洋2--

私は、私の横に座る妻の空気が、冷え冷えとしたことに気付き、暫し固まってしまった。

妻は…妻は、少々気が早いと言うか、思い込んだら…というところがある。

それは、息子のアキラにも言えることだが。

「奈瀬さんは…進藤君と、親しいのね?」

ちらりと、その横顔をみるとかすかに眉がよっている。

(明子…それでは…)

私の妻として笑顔を絶やさない彼女だが、こと、プライベートのことになるとまるで少女時代に戻ったようになる。

感情がむき出しで、本来の彼女の気の強さを隠そうとしない…。

いや、隠したつもりでいるのかもしれないが、全く笑っていない目や一部の隙も見逃さない言動を一度でもみたものは、まるで生きた心地がしないだろう。

かく言う私も、若い頃にはいわれのない嫉妬…サインを貰いにきた若い女性と話しているのを見られたり、女性の指導碁をした後などは、背筋の凍る思いを度々したものだが…。

(全く…進藤君も、たまらないだろう…。)

恐らく同じ思いをしているであろう進藤君に、同情と…近いつながりすら感じてしまうのは、彼には失礼であろうか?

私が思ったとおり、明子の凄みのある笑顔に…蛇ににらまれた蛙…のようになってしまった、奈瀬さんは息をのんでから、口をひらく。その眼は、おびえて…信じられないものをみるような目になっている。

「あの…進藤とは、院生の頃から良く打ってますから…親しいと言えば…そうかもしれませんけど。」

彼女も、どう答えていいのか分からないのだろう。先ほどまで、とても歯切れの良い受け答えをしていただけに、その小さな声に彼女の動揺がよく現れている。

(可哀相に…)

私が、彼女に助け舟を出そうと口を開こうとして明子をみると、彼女は私に

『黙って!!』というように、普段私には向けないような眼をむける。

私は、若かりし頃を思い出して、背筋が凍る思いに何もいえなくなってしまった。

「もしかして…、進藤君とお付き合いされているのかしら?」

明子は、奈瀬さんの方に笑顔(…といっても、やはり眼は笑っていない…)を向けながら、たずねている。

(ああ…)

私は最悪の事態を考えて、背中の筋肉中が張り付いてしまったようになる。

(もし…彼女が何をいっても、せめて、ここから逃げれるように…してあげねば…)

まだ未来ある若い女性なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

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