★永久に君と16★ THANKS 10000HIT&七夕祭り |
7/2…イベント当日 --奈瀬3-- 塔矢元名人と打って…私は、感動もひとしお…って感じで、一息をついた。 「お疲れさまでした。」 そう言いながら、部屋に入ってこられたのは塔矢夫人…塔矢アキラのお母さん。 (塔矢はお母さんになのね…。) 今日この家に来て、今打ち終わるまでは緊張で全く人の顔などみてなかった私だったけど、ようやく打ち終えて少し余裕をもって、初めてお会いするその女性を観察することができた。 (流石…噂どおり、美人…) 日本棋院でも、塔矢名人の奥様はとっても美人…というのは評判で、名人を支えるその慎ましやかな彼女に未だにあこがれている棋士も多い…っていうのは、色々なところで聞いたことがあったから。 (品がよくって、やさしそうで…) 笑顔でお茶を替えてくれる彼女に、女の私でも憧れを感じちゃう。 「ウフフ、緊張なさらないで?私みたいに、家にいることが多いと今時の若い子とお話する機会ってあまりないのね。だから、少しお話してもかまわないかしら?」 そう言って、悪戯っぽく私と横に座る塔矢元名人に微笑んで見せる奥様はとっても可愛くって私も、おかしくなってつい口元が緩んじゃって。 「もちろんです!!こんなに素敵な女性が、塔矢…プロのお母さんだなんて。私皆に自慢できます!」 (と言っても、塔矢との約束で今日のことは秘密にしなくちゃいけないんだけど…。) 私が、思ったとおりのことを口にすると一瞬彼女の顔が強張るのを感じた。 (?) 「あら…なんで、私のことが自慢になるのかしら?」 「…?あの…いけませんでしたか…?だって、あの…塔矢元名人の奥様に会えるなんて中々機会がないし…」 いきなり彼女の表情が曇ったのに、私がしどろもどろになりながら答えると、彼女は少しほっとしたような顔になって、また微笑んでくれた。 「あら。別にそんなに珍しいものでもないのよ?」 そういって首をかしげて笑う姿に、 (なんだ…なんか、気に障ったのかと思った…。) 自分の勘違いが恥ずかしく思える。 「ところで…奈瀬さんは、アキラさんとは親しくして頂いているのかしら?」 「え!?」 彼女の機嫌が直ったことに安心して、ほっと息をついているのも束の間…彼女が、聞いてきた言葉に思わず私は、顔を上げて彼女の顔を見た。 (…眼が…笑ってない…) 美しいその顔は、口元は笑っているのものの…瞳には、何か寒々しいものさえ感じてしまい私は自分の頬が引きつってくのを感じた。 「え!!いえ…塔矢…プロとは、殆どお会いしたことがありません。」 「あら?」 よく考えてみれば、塔矢が女の子と付き合っている…なんて事聞いたことがないから…親としては、心配になるだろうし、そんな一人息子が女を連れてくれば…それは (もしかして…私のこと、塔矢の彼女だと思ってる??) 私は、背中に嫌な汗がいっぱい流れるのを感じた。 (冗談じゃないわ!!いくら、優秀なプロで顔もよくって…囲碁界のプリンスって言われてたってあんなおかっぱは私の好みじゃない!!断じて!!しかも、年下なんて論外!) 覚えのないことで、仲良くしたいと思った女性に嫌われるのも…尊敬する棋士に色眼鏡でみられるのも…とんでもない!!!! 私は、聞かれてもいないけど…一気に塔矢と自分の関係についてしゃべって、彼らの誤解を解いてしまいたかった。 「あの…私、塔矢プロとは片手で数えるぐらいしかあった事がなくて…、最初にお会いしたのも、進藤が…あ、進藤プロが、連れてきてくれたんです。若手棋士で集まってる研究会に、進藤…プロが、塔矢プロを連れてきてくれたことがあって…といっても、一度だけなんですけど…、その時に私が指導碁を頼みたい…という話を覚えていてくれたんだと思うんですけど…。」 自分でも、かなり言い訳がましい…と思いながら、できるだけ『進藤』のところをアピールしながら、しゃべりきった。 (なんで…?)
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