★オレとアイツの子供の日。1★ 空が青い。 この感じ…この優しい季節の中で、オレは一つの別れを体験した。 この季節の匂いを感じると、オレの心は遠くに行っちまう…知らないうちに。 でも、そんな事誰にも気づかれないって思ってた…。オレは、嘘をつくのが上手いから…
「進藤、今年もよろしくな!」 白髪のヤンキー兄ちゃん…って感じの見た目は、去年とおんなじまんま。 (ムカつく〜!) オレだって伸びたのにさ。 去年と同じく北斗杯代表として合宿を行う為、塔矢家に向かう電車の中、オレは窓に写る自分の姿を見た。 去年よりは背が伸びた。(でも、社も伸びてるから差は縮まってない気がする…) オレは何が変わったんだろう?
北斗杯のメンバーは、相変わらず選抜戦免除の塔矢と予選で一抜けしたオレと…同じく一抜けした社という、去年と同じメンツがそろった。
「進藤…どうしたん?」 大雑把なようで、結構鋭いヤツだったりするんだよな、社は。 「わりぃ…なんか、久しぶりに3人で打つしさ」 オレがそういうと、社はオレが3人で徹碁をする事が楽しみで興奮しているのだと思ったらしく 「ホンマ、久しぶりや!メチャクチャ楽しみや!!」 (社、ごめんな…) オレは心配してくれてる社に、ごまかしの嘘をついた事を心の中で謝った。
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