★オレとアイツの子供の日。11★



「進藤…、まさか忘れてた?」
塔矢が、呆れたように…でも、なんか優しい目でオレを見る。
その目があんまり優しいから、オレはつい甘えた気持ちになっちまって…

「…わすれてた」

いつもだったら、意地をはるとこだけど今日は素直に白状する。

「仕方ないな。誰よりも、心配かけてるのはお母さんだろ?」

笑いながらも「僕の次にね」とつけくわえて塔矢は、小さな包みをオレに手渡す。

「じゃあ、コレ、僕と進藤からって事でキミのお母さんに渡して!」

オレの手の上に乗った有名デパートの包み。

「何コレ?」

「たいしたものじゃないけど…物は悪くないと思うよ?シルクのハンカチなんだけど…」


僕も店員さんに進めれたまま買ったから…って塔矢は笑った。

「でも…、オマエのお母さんにやれよ」

いくらなんでも、自分の親のプレゼントを人からはもらえない!と、オレが包みをヤツの手に押し付けると

「同じものを母にも用意してあるから」

と言って、ヤツはオレの手に包みを押し付ける。

「なんで、オマエがオレの母さんにプレゼントするんだよ!」

オレが、包みをヤツに押し付けながら言うと

「だって…、言ったろう?」
「?」
「僕もキミのご両親に親孝行するって…」
「…」

そういえば、こないだのひな祭りにそんなようなことを言ってた気がする…。
うーん、負けず嫌いというか…生真面目というか…。
オレの反応が気に入らなかったのか、少しむくれたような塔矢。

いつも、礼儀正しくてクールで…こんな塔矢を知ってるのはオレだけ。

(ホント…仕方ないヤツ…)

オレはちょっと、うつむいてソッと笑うとわざと怒ったような声を出して、ヤツの手から包みをもぎ取る。

「だからって、急にプレゼントはおかしいの!!コレはオレが買い取るから!!!」

ソレが、今の最大の譲歩ってことで許して欲しい。

そう思って、オレがヤツをじっと見据えると、ヤツは

「はぁ」

わざとらしくため息をついて首を振った。

◆12◆