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★オレとアイツの子供の日。10★ 「ごめん…」 オレは小さく告げて、塔矢に抱きついた。 (オレがいつか話すっていったから、待ってくれてるんだろ?) それが分かったから、オレは塔矢にキスすると 「オレに碁を教えてくれたやつ」 急に話し出したオレに戸惑ったように、塔矢がオレをみる。 「この位の時期にいなくなったんだ…」 オレは、塔矢の胸に顔を押し当てる。 「進藤…。」 「オレ、バカだ。大事な人の声、ちゃんと聞くって決めたのにお前にも社にも心配かけた。」 きっと他の人にだって…。 「ごめん、塔矢。今は、コレしか言えねぇ!でも…」
「いいんだ…いいんだ…進藤。」
強くなりたかった…誰よりも。自分の中の佐為の力を証明したかったから。 でも… 「前に進むっきゃないんだよな…」 オレは塔矢の胸の中でつぶやいた。 そして、見守ってくれているはずの囲碁幽霊がいるんだから…!!
「そうだね、キミが前に進む事で、きっとキミに碁を教えてくれた方も喜んでいるはずだよ?」 同じ棋士ならば分かるはずだ…常に戦い続けるのが…常に歩みを止めないのが棋士だということを。
殆ど、何も言ってないのに…オレに言ってくれる塔矢の言葉はあったかい。 そんな事が嬉しい。 で、その後…オレは泣きすぎたせいで緩んだ鼻をかんでいると、塔矢が 「あ、そうだ!」 と思い出したように、自分の机に向う。 オレがその姿を見てると、机から何かを取り出してオレに差し出した。 「はい、これ」 すっかり忘れていた行事にオレは青くなる。 一昨年は、イベントの後因島に勝手に行って(佐為を探してたんだけど)手合いにも行かなくなって、ものすごい心配をかけた。
その事に気づいて、オレは青かった顔から更に血の気が引くのがわかった。
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