★ホワイトデーdeセレナーデ4★ 「葦原さん、もし僕が勝ったら、僕のお願い聞いてもらえませんか?」 表面的ににこやかなムードで交わされる会話だったが、何か白々しい。 お互いにニコニコしている、二人のプロ棋士に、ついに溜まりかねた客の一人が 「で、若先生のお願いってなんなんですか?」 そういって、質問すればアキラはにこやかに、 と、いたって余裕だ。 そういいながら、痛烈な場所に一手を決めて「葦原さんが勝ったら…ですけど、ね。」と微笑む。 それに顔をしかめながら、 「!!!」 (やられた!) この勝負を始める前から、葦原の様子は何だかおかしかったのだ。 (もしかして…) 嫌な予感を隠しながら、無理やり笑顔を作る。 「ははは、嫌だな。そんな、お願いはしませんよ?でも、葦原さんは、そんなにそのイベントに行きたいんですか?」 「でも、折角冴木君が休んでくれるから、俺の注目度があがると思ったのになぁ〜」 進藤君が、来るんだもんなぁ〜。とため息混じりに葦原がはいた一言が、アキラに火をつける。 (そう、そんなイベントに進藤を一人行かせたら…) アキラは、ホワイトデーにヒカルと離れ離れになることだけではなく、ヒカルが不特定多数の女性たちに囲まれてしまうのではないか…それが心配なのであった。
アキラの中に、先ほどまで残っていた兄弟子への配慮は、塵ほども残っていなかった…。
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