★ホワイトデーdeセレナーデ2★


結局使えなくなってしまった携帯の代償に、ヒカルは朝までアキラにつき合わされたのだが…。

(もぉ!アイツ好き勝手やりやがって!!!)

アキラの水浸しになった携帯を、とりあえず陰干しにしながら、ヒカルは心の中で悪態をついた。
当のアキラは、新しい携帯を買いにいくと出かけたばかりだ。
それなら、水浸しの携帯を陰干しにする必要もないのだが…、アキラがどうしても中のデータがあきらめられないらしく、そうすることになったのだ。

(マメなあいつにしては、アドレスとかメモッてなかったのかな?)

そんな事を考えながら、大あくびをするヒカル。
本日、昼過ぎから指導碁の入っているので、疲れきった体を伸ばしながら、今はいない恋人について考える。

(アイツがこのまま済ますわけないしな…。)

昨日、散々棋院に迷惑はかけない!という約束をさせたので(それと引き換えに、思い出すだけでも赤面もののあんな事やらこんな事までされてしまった…)、直接棋院への交渉はしないだろとは、ヒカルは思っていた。
アキラは強引だが、ヒカルと約束したことは絶対守る。
だが、その粗をつついてくるだけなのだ…。

(棋院に頼めないなら…)

アイツならどうするか…?小さくつぶやいて、考え出す。
これはもう、勝負なのだ。
碁石を並べていないが、相手の先を読んで、相手の行動をつぶす…。
お互いに誰よりも知り合った相手だけに…

(う…ん。アイツのことだから…)

ヒカルは、ちょっと考えて、自分の携帯を取り出した。

その頃アキラは、自分が契約をしている携帯電話会社の出店で新しい携帯を購入していた。

(これはいい買い物ができた!!)

と、新しい携帯の契約を交わしながら、王子はいたってご機嫌であった。
いとしい恋人の体を堪能しきった次の日は、とても体が軽い。
気持ちも、飛んでいってしまうほど軽いのだ。

(でも、僕の心が飛んでいくのは、キミのところだけだよ♪)

そんな真っ先に春が来てしまった事とは知らない受付の女性は、アキラの笑顔にため息をついた。

 

◆3◆