★キミと僕とのひな祭り。3★
「塔矢!」 ちょっと、強めに身体を揺らされてようやく彼が来ている事に気づいた僕は、暗いを振り払って無理やり笑う。 「進藤…」 自然に笑ったつもりでも、やはり進藤は変なところで鋭い。 「塔矢…なんか、具合が悪そうだぜ?」 心配そうに、僕を覗き込む彼が嬉しい。 「大丈夫だよ。ちょっと、冷えただけだから…。」 そう言って今度こそ、ちゃんと笑うと彼が僕の額に手を当ててきた。 「スゲェー冷たい…。ごめんな、オレが遅れたから…。」 今日は10分くらいしか彼も遅れてはいないから、そういっても差し支えはないだろう…。 「オマエ今日携帯もってねーの?」 「?」 「オレ、繋がんないから、オマエん家に電話したんだぜ。」 そして、彼は僕の目の前を歩き出した。 「進藤、碁会所はそっちじゃないけど?」 僕は、彼が進む方向に嫌な予感を感じながら彼の腕をひく。 「?何言ってんだよ。オマエん家に行くんだから、こっちだろ?」 僕は自分のうかつさを呪いながら、思わず俯いた。
アキラさんにとって長い一日のスタートです。 |