★キミと僕とのひな祭り。8★ 暫くアルバムをめくって…どさくさに紛れて沢山の幼い進藤の貴重な写真を手に入れて僕は、大分浮かれ立っていた。 「あの…塔矢くん。」 自然と笑みが抑えられなくて、彼女に笑いかける。 「あのね、最近のヒカルは…どうかな?」 そして、僕は気づいてしまった。 だから、僕を家に呼んで最近の進藤の様子を知りたがったに違いない…。
「どうって、元気だよ。それに、順調に勝ってるし…最近では、周りも進藤の実力を認めて一目置かれてるよ。」 (キミになんて…、僕の知らない進藤を知っている君になんて…、僕が知っている進藤を教えたりしない!) 僕だけが知っている…と思いたい、彼の繊細な部分や優しい部分。我侭なところも、強気なところも…全部。 (僕だけのものだ!) 僕が、心の中で彼女に宣戦布告をしていると、彼女は何やら考え込むようにアルバムをパラパラと開く。 「昔はね…いつも一緒だったんだ。」 「周りの男の子に冷やかされたりしたけど、ヒカルはいつも私のこと庇ってくれたし…私は、ソレが嬉しかった…」 そして、その時は目に入らなかったけど 「あれ?コレって…藤崎さん?」 進藤の隣に写っているのは、今よりも髪が短いけれど可愛らしいピンクの着物をきた藤崎あかりの姿があった。 彼女は、ちょっとなつかしそうにその写真を撫ぜて 「コレはね。私とヒカルが通ってた幼稚園でやったひな祭りで、私とヒカルで女雛と雄雛をやったのよ。私、凄く嬉しかった…」 なんだか、結婚式みたいで…と彼女が続ける。 女の子ならば、自然と結婚という形で彼と一緒にいられるんだ…。 僕には…彼を縛れる関係が何もない…。
僕は、なんとなく気分が落ち込んでしまい、黙っていると
僕は、ガタッと席を立つと 「すみません。色々、ご迷惑おかけしました。僕は、これで失礼しますから…。」 それだけ言うと、彼女の母が引き止めるのも作り笑顔で、避けて無理やり家を出た。 僕の背後に、藤崎あかりが声をかけていたがソレさえも耳に入らなかった。
思いっきり暴走中… |