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★キミと僕とのひな祭り。6★

 

その時の僕は、ただただ冷静でなかった…それだけは、言っておこう。


僕は、進藤に追いつかれないように進藤家へ急いだ。
彼の家へは何度か、お邪魔しているしご両親とも仲良くさせてもらっている。

『ピンポーン』

僕は、進藤の家のチャイムを鳴らす。
何度か、鳴らすが誰もいないのか、反応はなかった。

僕が、いらつきを納めようと、息を吸い込んでいると、

「あれ?塔矢君??」
「…キミは?」

僕の目の前に髪の長い女の子が立っていて、僕をみつめていた。
…確かに見覚えがある気もするのだが…。

(どこであったんだろう?)

僕が不思議に思っていると、彼女は苦笑いをして

「あっ、私のこと覚えてないか~。私、藤崎あかりです。ヒカルとは同じ中学で…、塔矢君とも何度かあってるんだけど…」

覚えてない?と聞かれて、そういえば、そんな気もするのだが…

(…彼女の事は覚えていないが…名前は知っている…。)

「塔矢君、ヒカルしか見えてなかったものね。」

「…。」

僕が、自分の考えに想いを飛ばしていると、彼女が可笑しそうに口に手を当てる。
その言葉が当たっているだけに何もいえないでいると、

「今日はヒカルと打ちに来たの?でも、みんな出かけてるみたいなのよ。」

という事は、僕がここまで突進してきたのは、まったくの無駄だったということらしい。


 

◆7◆

人の話は、聞きましょう。みたいな?