★キミと僕とのひな祭り。10★

僕が黙ったまま、入り口から身体を引いて彼を向かい入れると、彼はそのまま部屋に進んで、灯りをつけた。

「オマエな〜電気もつけないで、何やってたんだよ!!」

オレすっげぇ心配したんだからな!と僕に怒る進藤の声が遠い。
僕が黙ったまま、俯くと、まだ入り口にいた僕の手を進藤が掴んで部屋の中央に無理やり座らせた。

「オマエ、あかりのトコに行ってたんだってな!」

別段、攻める口調でもなかったに僕は知られた事に、ビクッと身体を震わせる。

「たまたま、キミの家の前で、会ってお家に誘われたんだ。」

僕は彼から顔を背けながら、冷たく言い返す。
まるで、八つ当たりだ。
分かってるけど、進藤の口から自然と飛び出す「あかり」という名前が僕を益々苛立たせる。

「何怒ってんだよ!オレは、棋院に写真もってこいなんて言われてねぇーぞ」

そういいながら、進藤は何枚かの写真を僕に差し出した。

「コレ…」
「オマエ、これ忘れてったって。”塔矢君でも、ボーっとする事があるのね”だってさ。」

僕は、自分の考えにとらわれていて、先程もらった幼い進藤の写真を藤崎あかりの家に置いて来てしまったらしい。

「コレを届ける為にきたの?彼女に頼まれたから?」

僕は、写真を跳ね除けると進藤をにらみつけた。
彼が追いかけてきてくれたのが嬉しかったのに、それは彼女に忘れ物を託された所為だと分かったから。

行き成り、飛び散った写真に進藤は唖然としていた。

「オマエ…何、さっきからイライラしてんだよ!」

ちょっと困ったように言う進藤に、僕は変に冷静な部分で

(こういうときには、彼は怒り出さないんだ…)


時々見る、変に大人な彼を見せられて、僕は益々彼を遠くに思う。

「イライラなんてしてないよ」

僕は大きく息を吸い込んで、気持ちを抑えながら、言う。

「イライラしてんだろ!昼真っからさ。オレにも言えねぇ〜のかよ!?」

そんな事を言うキミに僕は、先程まで溜まっていたものが急に爆発した。

「キミが!」
「?オレ?」
「そうだ、キミが、悪い!!」


 

◆11◆

 

ヤツアタリはヨクナイと思っていても、どうしても留められない時もある…けれど、甘えているだけなんです。あなたに…。