★雨の日はキミと 3★
顔を上げた僕に、影が落ちて…何かに覆われたように目の前が暗くなって、柔らかいものに口をふさがれる。 「な…!」 いきなり起こった事が理解出来なくて、僕は目を見張った。 「進藤…」 何がおかしいのかニヤニヤする彼に、なぜか少しだけ腹が立って僕は声を荒げた。 「当たり前だろう!」 襲われちゃうぜ? 「キミ…いつも僕が外でしようとすると、怒るくせに。」 そう、僕の恋人はひどくシャイで…家の外での二人でする行為をとても嫌がる。 (僕にはさせてくれないのに…) それは彼に主導権を握られた事よりも、余裕そうな顔で僕を見つめる彼の笑顔が愛しすぎて…余裕をなくした表情を見たくなったせいだからかもしれない。 「ほら、行こうぜ!」 そう笑われれば、僕が否めないことなど分かりきっていて…。 男向けの大きめな傘だけど、男二人は少しせまい。 「ところで進藤、キミどうしてあそこにいたの?」 近すぎる為に彼の顔がよく見えない分、彼が少し焦ったのが分かる。 「コンビニ…に用があったんだ。」 と、手ぶらな彼が言う。 「そう、僕のために来てくれたわけじゃないのか…残念だな。」 僕が笑いながら言うのを、彼は嫌そうな顔をしてちらりとみると 「お前はついで!」 と横を向いてしまった。顔が見えなくなった分、細くてすらりとした首がよく見えて、いつも白いはずのそれが真っ赤に色づいているのが、何よりも彼の心をかたってくれた。
|