★雨の日はキミと 4★
横をむいてしまった彼をこちらに向かせたくて、僕はそっと彼の首筋に顔をおとす。 「わっ!」 敏感な彼は僕の唇がふれるか触れないか…といった所で、体を引いた。 「たまにこんな事ができるなら、駅から20分も悪くないよね?」 僕がクスクスと笑い声を立てるのに、やっと振り向いてくれた彼は思いっきり不機嫌顔で… 「人がみてたらどーすんだよ?」 真っ赤になって怒る様子がかわいくて 「キミだってさっきしたじゃないか」 「オレはちゃんと人がいないとき狙ってやったんだ!」 そう言って怒鳴っると彼はしまった!という顔をした。 (…ということは、彼は暫く僕を見張ってたということか…?) そんな様子を想像して、いつもと違う状況に僕は顔がにやけるのが分かる。 「待ってたのは、ホントに少しの間だけだからな!!それに傘でちゃんと隠したし…」 そういう声が小さくなる。 「これで周りから見えないよ?」 (どうせ周囲は人通りが少ない上に、突然の雨に急ぎ足の人ばかりで…僕らのことなんて、気にも止めてないと思うけど…ね) 静かな雨音に、傘のドームの中の僕らは本当にこの世に二人きりになってしまったようで…僕はひどく幸せだった。 ねぇ進藤…今なら僕にも分かるよ。 だから…僕も… 僕は手にある袋をみる。 「何笑ってんだよ?」 「ねぇ…進藤?」 彼の不思議な色合いの瞳が僕を見つめる。
おわり
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