★Angel〜佐為が消えた〜7★

とりあえず、アキラは条件に該当する森の中でも、一番危険とされている森に足を運んでいた。

(ヒカル…どうか、無事でいて)

人々が恐れて近づかないと言われているだけあって、森は暗く…木々は重なり合っていた為、馬で乗り入れる事は無理であったので、森の入り口に馬を止める。
自分の羽で、空から森に入る事もこの木々の重なり具合では難しく思われ…

(この入り口から、歩くしかない…)

アキラは覚悟をきめて、森に足を踏み入れた。

「痛っ!!」

何時間歩いているか分からないほど、時が流れ更に森がうっそうとしている中で、アキラは何度も体に傷を作っていた。
細かい木が身体にぶつかってくる。
それは、まだいい。
だが、先に進めないほどの大きな樹が倒れていると、そのたびに迂回を余儀なくされ自分がいる場所が分からなくなりそうになる。

(この先に菩提樹があるのは確かだ…)

森に入る前に上空から確かめた位置を、頭に描きながら足を進めるアキラ。
あの、何も出来ないヒカルがこんな険しい森に入ったのだろうか…。

ふと疑問が起こる。

だが、

(菩提樹まで…菩提樹までいけば分かる)

自分を励まし、真っ直ぐに進むのだった。


更に時間が経ち、急に道が開かれ、まるで樹のドームのような空間が出来ていた。
そこには、大きな菩提樹が軸になるようにあって……

(きっとここだ…。きっとここにヒカルがいる…)

そのあまりの美しい光景に、胸躍らせるアキラが、その大きな菩提樹に近づこうと足を踏み出すと

『ガッツ!!』
身体に物凄い衝撃を受けて、跳ね飛ばされる。

驚いて顔をあげると、そこには金色の美しい毛並みをした大きな虎がアキラを睨みつけ

「ガル〜」

と今にも喰らいつかんばかりに、うなっていた。

(虎…)

始めてみる大きな虎に、アキラは息を呑み…きっとヒカルは居る…と確信をする。

「どんな障害があっても、僕は負けない!!」

アキラは、警戒している虎に向き合うと睨みつけ、大きな声で宣言をする。
アキラは戦闘などしたことがない。それでも、負けるわけには行かない…。

その気持ちだけで、虎へと歩みを進める。

「キミがヒカルと友達というなら、僕を通してくれ!僕は彼を傷つけたりしない。キミも傷つけたりしない!!」

そういいながら、物凄い気合で向かってくるアキラに、強そうな虎も一瞬足をすくませる。
その怯えが、益々虎を攻撃的にさせ、アキラが足を進めた瞬間、

『ガッ!』

アキラに向かってジャンプをしてきた。

「駄目だ!リオン!!」

よく知ったその声がこだまする。
アキラが、固まったまま目をつぶっていると、虎は瞬時に聞こえた声に反応してアキラの脇を通り過ぎる。
訪れない衝撃に、アキラが目を開けると虎は、声の主のほうへ駆け寄る所だった。


「ヒカル…」

「アキラ…」

そこには、自分が捜し求めていた人物・ヒカルが立っていた。

 

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