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★Angel~還る場所~4★
明日はヒカルにとって、新しく…そして険しい道への第一歩の日である。 (彼は大丈夫だろうか…) 佐為が消えてから、普段は勝気な彼の、脆く繊細な部分を自分は見てきた。 だからこそ、アキラの胸には心配ばかりがよぎる…。 (僕に彼の為に出来る事があるのだろうか…) あるならば、例え何をおいても叶えてあげるのに…。 アキラが物思いにふけっていると、烏の行水のヒカルが水を滴らせながら、 「お~い、風呂あいたぞ~。」 と暢気にアキラに呼びかける。 その声に、振り向くと、 「ヒカル!なんだ、その格好は!!」 腰にタオルを巻いただけの状態で、ヒカルがアキラを不思議そうに見ている。 「何って?」 「早く、何か着ないか!」 行き成り怒られて、ヒカルはムッとしながら髪を拭いている。 (もしタオルが取れたらどうするんだ!!!) アキラはハラハラしながらも、ヒカルの薄い身体から目が離せない。 が、不思議そうにしているヒカルと目があって、アキラは咳払いをする。 「ともかく!まだ寒いんだから早くなんか着て!!明日は初日なのに風邪なんてひいたらどうするんだ!!」 その言葉に渋々、服を着るヒカルにホッとして、アキラは 「じゃあ、僕もお風呂に入るから…キミ先に寝ていて。よく髪を乾かすんだよ!」 佐為よりも口うるさいアキラの小言に、なんだか笑いがこみ上げながら 「お~、おやすみ~」 そういいながら、ヒカルは手を振った。
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