★愛情大盛り物語2★

僕はなんだか疲れ果てて、

「じゃあ、僕は失礼するよ」

と、彼に声だけかけ、顔も見ずにその脇を通り抜けた。
自分でも、馬鹿らしいくらいだ。
こんな風に子供みたいに、自分の思い通りにならなかったからって、彼に八つ当たりをして…。
僕は馴れた駅までの道をただ歩きながら、頭の中は先ほどの事ばかりで…。


(やっぱり、アレは良くない態度だったな…)

と反省し、地面を見ながら立ち止まる。…すると、

『ドンッ!』

一拍置いて、僕の背中に衝撃が走った。

「わっ!お前急にとまんなよ!」

僕が自分の背後を見下ろすと、そこには今謝ろうと考えていた人物がおでこを抑えて立っていた。

「キミ何してるの?」

僕は、まだおでこを抑えてわざとらしく呻いている人物に向かって冷たく言い放つ。
先ほどまで、謝ろうと思っていたのに、いざ彼を目の前にしてしまうと、ついついキツイ言い方になってしまう。
案の定、僕の言い方が気に障ったようで、彼は大きな目を睨みつけるようにしてあげてきた。

「何って!お前飯いかね〜のかよ!」


何故そこにこだわるのだ。ソレとキミが僕の後ろを歩いていたのと、何の関連があるんだ!!

「だから行くと言っている!」
「だから、オレも行くんだよ!!」
「…」

彼の言葉はいつも僕を混乱させる。
僕は何をか聞き逃したのだろうか?それとも、僕の読解力がないだけなのだろうか…?

「…キミはもう食事をとったんだろう?」
「喰ったけど、マックだったから腹減るんだよ!どうせ、いつもお前昼ぬいてっから手合い終ったら一緒に喰おうと思って今日はナゲット喰わなかったし!!」

どうだ、分かったか!!と、言うように言い切る彼…。

どうして、彼は僕の考えを裏切る事ばかりするのだろう…。
キミの考えなど読めるわけがない。

彼はソレが当然だ!とでもいうように、僕の前をまた歩き出す。
僕がついていくという事を決して疑ってもいない様に。

僕が、まだ立ち止まっていると、彼が振り向いて僕を待つ。

「ほら、行こうぜ!そんで、喰ったらお前の碁会所な!!」

それは、とっても楽しそうな顔で…。

(ああ…、やっぱり僕はキミが好きだ…)

僕は、伝えられない想いを胸に隠し、彼の横に並んで歩き出した。


 

3  へ

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