★いつでも見つめさせて4★
プリクラって最近やってなかったけど、すげー色々機能がついてて、オレは楽しくなってきた。
そんなオレの横では、仏頂面した塔矢がオレの行動を大人しく見ている。
「オレ、この変なフレームがいいなぁ〜。お前どれがいい?」
オレがそういって、ヤツを振り返ると
「僕はこういったものに、興味がないからいいよ」
と、そっけなく返してくる。
(も〜ホント、しょうがないヤツ!)
いつまでも、膨れてて…。
いつもオレの事、がき扱いするのに、コイツの方がよっぽど子供。
そう思うと、なんだか塔矢が可愛くて…オレは、恥ずかしいけど…朝からずっと考えていた作戦を実行しようって心に決める。
オレだって塔矢との写真が嫌なわけじゃない。
自分の事を塔矢が、隅々まで見てる気がして…オレの写真を見られるのは嫌だけど…。
あんな昔の写真じゃなくて、今のオレ達を…撮りたいから。
「ほら、いつまでも仏頂面してんなよ!一緒に写真なんて、滅多に撮んないんだし。」
そういうと、オレは撮影の設定を済ます。
一緒に…といった事で、ヤツの空気が緩んだのを背中に感じながら…。
あとは撮影ボタンを押すだけ!ってトコまで設定して、オレは塔矢の腕を掴んでカメラの前に立つ。
「ほら、笑えってーの!!」
オレはそういうと、腕を伸ばして撮影ボタンを押した。
オレの言う事を聞いて、相変わらず眉間に皴を寄せながらカメラを向いている塔矢を横目でこっそり見ながら…。
『3…2…』
機械の高い声に合わせてオレは心の中でカウントダウンをする。
『…1』
最後の掛け声に合わせて、オレは思いっきり顔を横に向けてやった。
『パシャッ』
フラッシュが眩しい…。
「し…進藤…!?」
オレは、勢いつけすぎてちょっと、口が痛くなりながらも塔矢を見ると、塔矢のヤツが珍しく焦ってる。
(コイツ、動揺してもオレにばれない様にいつも必死なのに…!!)
滅多に見れない、そのユデダコみたいな顔が面白くって、オレがニヤニヤしていると…
『もう一度いくよ〜』
機械が、2回目の撮影に入ってた。
オレは焦って、口をパクパクさせてる塔矢の顔をカメラに無理やり向けると、
「ほら!塔矢、もう一回!!」
そういって、塔矢の横にもう一度くっ付く。
ギリギリ撮影に間に合って、
『3…2…1…』
もう一度眩しいフラッシュ。
その瞬間…オレの右頬に柔らかくて暖かいものが押し当てられた。
「こらっ!なにすんだ!!」
オレが焦って横を向くと、
「お返しだよ」
嬉しそうに笑った塔矢が、オレを抱きしめて…文句を言おうとするオレの口をふさぐ。
公共の密室で、ベロチューまでして…挙句オレの尻にまで手を伸ばしてきた塔矢のヤツをゲーセンから追い出して…オレは写真が出来るのを待つ。
(ホント、安上がりなヤツ!!)
ちょーハズかったけど、あんなに嬉しそうな塔矢を見れるなら、たまにはいっか!…なんて思いながら、オレは写真の受け取り口をがっちりとカバーした。
その後、ちゃんとプリクラ写真を受け取ったオレは、4コマの中の1枚だけ塔矢の携帯の電池を撮ったところに貼ってやった。
ヤツは、全部欲しがったけど…あとは没収してアイツが絶対分からないところに隠してある。
そして、今遠征でオレは一人大阪に来ている。
大事な手合いの前日…最近オレはこっそりしてる事がある。
それは、扇子を撫でる事。
そして…
『カパッ』
携帯の電池を外すと、中からはあの日のプリクラが出てくる。
(会えなくって寂しいのは、お前だけじゃねぇ〜っつーの)
オレは、写真の驚いている塔矢の顔を見ながら悪態をついて、こっそり笑った。
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