★いつでも見つめさせて3★

オレはアキラからオレの載っている雑誌を全て取り上げた…。
ついでに、昔撮った…というか、緒方先生に勝手に撮られた二人の写真も取り上げた。

わざわざ、こんな雑誌取り寄せるなんて…。
こんな写真を後生大事にもってるなんて…ホント馬鹿!!

だけど、そのせいですっかり塔矢のヤツむくれちゃって…。

オレと一言も口を利こうとしないんだ…。

(う〜ん。困ったけど、夕食食った後でよかった〜)

オレは、アイツの怒りなんてすぐに収まるだろうと高をくくってたけど事態は次の日になっても全く変わっていなかった。

「塔矢〜おはよ〜」

「塔矢〜腹減った〜」

「塔矢〜行ってくるけど?」

全部スルー。

ここまで、徹底的に無視してくるとは。
そのくせ、オレの気配を追ってるのは分かるんだ。
朝飯だって普通に出てきた。

(ホント…困ったやつ。)

オレは悪くない…と思う。
でも、ちょっとかわいそうな事したかな?とも思った。
アイツがオレの写真を大事に持ってたのも、雑誌を買いまくったのも、恥ずかしかったけど…ホントはちょっと嬉しかった。

オレに隠れてやってたことが、そんな事だったなんて。
オレに隠れて何やってんのかと思えば、オレがいない時に見るつもりだった雑誌をガマンできなくて読んでたって?

ホントあほとしかいえないだろう?

仕事で一緒に過ごせない夜に、オレの写真が見たかったって?
オレが好きなものが載っている雑誌を読みたかったって?


ホントにホントに…馬鹿でアホで恥ずかしくってどうしようもないくらい…!


だから、オレはその日帰ったら塔矢と仲直りしようって決めたんだ。


仕事を終えて帰ってくると、今日は指導碁だけだったヤツはまだ帰ってないみたいだった。

オレはアイツが帰ってくるのをまつ。
しばらくして、扉が開いて…相変わらず不機嫌そうな顔で無言で入ってくる塔矢。

「塔矢、今日外に飯いこ!」

オレは、相変わらずオレとは口を利かない塔矢の手をひっぱって外に連れ出した。

オレ達は、家からちょっと先にある駅前通りの和食料理屋に入って飯を食った。
本当はオレ、ラーメンのがよかったけど今日は塔矢優先。
食べてる間もずっと、塔矢は無言だった。

やっぱり寂しいな…。
コイツっていつも、騒がしいわけじゃないけどオレにものすごい小言を言って来るんだよな。
いつも、「へーへー」って適当に流してたけど、今日みたいに何にも言われないのって結構キツイかも。

食い終わって店を出ると、塔矢はわき目もふらずに家への道を歩いていく。
オレも、離されないようにその後をくっ付いていくけど…ある店の前で、 塔矢の腕をまた引っ張る。

「塔矢、塔矢!これやろう!!」

オレが引っ張ったのは、ゲーセンの入り口付近においてあったプリクラ。
ホントはここのプリクラが目当てで、駅前まで来たんだけど…そんな事、コイツ気付かないだろうなぁ…と思ってたら、塔矢のヤツ不機嫌な顔のまま不思議そうな顔をしてた。
でも、あくまでも口を利かないコイツにいい加減可笑しくなってきながら…

「お前まさか、コレ知らないの?」

と、オレが聞くと負けず嫌いなコイツは

「知ってるよ!写真を撮る機械だろう!!」

う〜ん。当たってるけど、ちょっと違っているような…。
でも、ま、口を利いてくれたので、とりあえずオレはヤツをプリクラの長い幕の中に押し入れた。


 

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これ…こんなに長かったんですね…と驚き。ふてくされアキラさん、かわいい…。