★いつでも見つめさせて2★

オレの目の前で明らかに塔矢が引きつった顔をしてる。

(こいつ…本気で分かりやすいんですけど…)

オレは自分の勘が当たってしまった事に、喜ぶ事も出来ずに、ただ塔矢を睨んでいた。
そんなオレのキツイ視線に、塔矢のヤツが塔矢は覚悟を決めたらしい。

「何の事だい?僕は別に…」

にこやかに笑顔を浮かべているけど、目線があってないして…明らかにキョドッてんじゃねぇか!!
そうまでして、隠そうとするコイツにオレは本格的に怒りがこみ上げてきた。
オレはただ、正直に言ってほしかっただけなんだから…。

「もういい!!オレ、今から家に帰る。もう、ここには住まない。」

オレは絞り出すようにそれだけ告げると、自分の部屋へ戻る。
悔しさと怒りで涙がこぼれそうになるのを、必死になって歯をくいしばって。
本当は一秒でもここには居たくなかったけど…どうしても、佐為と打った碁盤だけは持っていきたかったから。
部屋に戻って、それを小さくまとめ様としていると塔矢が飛び込んできて、オレから碁盤を奪った。

「ちょっ、何すんだよ!」

「君こそ何をするつもりだ!!」

「家に帰る支度だよ!それ返せよ!!」

「怒るのは分かる…。君が嫌がってることをしたんだから…でも、君はこんな事ぐらいで、僕らの中を終わらせるつもり?」

「はぁ?こんな事??随分な言い草だな!!ともかくオレは家に帰る!!」

「君の家はここだろう?それに、もう電車はないよ。」

「10時に終電の電車があるか!!嘘つくのも大概にしろよ!!!!」

オレがそう言うと、塔矢が驚いたようにオレをみる。
やけに、頬が熱い…。でも、これは涙なんかじゃないんだ…オレはコイツの事…もう好きなんかじゃないんだ…!!

「進藤……」

塔矢がオレの頬に手を伸ばす。
オレは、そんな風にする塔矢が信じられなくて、腹が立ってその手を払う。

「そんな風にするのだって、嘘なんだろ?もうオレのことなんて気にしなくったって、女だろうが男だろうが、好きに連絡取ればいいだろ!!」

オレはついに言ってしまった…。 絶対言いたくなかったのに…。
オレが自分で言った言葉に傷ついて…もう止まらないくらいに涙が出てきて、ジッと俯いていると…塔矢のヤツが

「え…?君何のこと言ってるの?」

と間抜けな声を出して聞いてきた。
オレはこの期に及んでシラを切るコイツに、本気で頭にきて、止まらなかった涙が一瞬止まるぐらいだった。


「オレが風呂に入ってる間!お前が何してるのかオレ分かってんだからな!!」

オレが、涙で滅茶苦茶になった顔で睨んでやると、塔矢はバツが悪そうな顔をする。

「……そうか…、知られていたのか…。隠れてしたことには、申し訳ないとは思ってるよ。でも、君だって悪いんだ!」

「嘘ついた上にギャク切れかよ!!囲碁界の王子様も落ちたもんだな!もうお前なんか、新しい女のトコに行っちまえ!!」


オレが怒りに任せてそう怒鳴ると、塔矢が眉を寄せて不思議そうな顔をする。


「……進藤…。君さっきから何を言ってるの?」

「だから、オレが風呂に入ってる間に、隠れて女と連絡でもしてんだろ!!」

「!?えっ??何のこと!!??」

オレの怒鳴り声に、塔矢は素っ頓狂な声をあげる。そん時にアイツの顔ったら、笑っちゃうくらいびっくりした顔で…。

その顔にオレが見入ってると、オレは手を急に引かれて塔矢の部屋まで連れて行かれた。

「ちょ!なんだよ!!お前!!!」

オレが驚いて、手を振り払うと塔矢はそんな事には全く気にせず、自室の押入れを開ける。
そしてロングのコートで隠れていたものを取り出すとオレの目の前に並べた。
それはオレにも見覚えのある雑誌たちで…。

「なに…これ…」

オレが理解できずに、本を手に取ると、やはりソコにはオレの特集記事が。
アイドルさながら、ポーズをとっているものだってあるのだ…。
(こんなもん、誰が喜ぶんだよ…。)
そう思ってオレが見ていた雑誌。
年々格好よくなっていく塔矢には絶対見せたくなくて…オレの体中知られてるのに、改めてこんな写真でオレの貧相な身体を見られるのが嫌で、絶対に見せなかった雑誌たち。

「君が怒ると思って…隠しておいたんだ。」

「…。だって、コレ半年前のじゃん。お前、いつ買ったの?」

「買ったのは最近。ネットで探して…。」

「……お前って…馬鹿じゃねぇーの?」

オレが雑誌に目を落としながらそう言うと、アキラが声を硬くして言う。

「君が悪いんだ!!僕だって君の写真が見たい!!!どんな君だって僕のものにしたい!!!!本当は販売されてる雑誌全部を買い取りたいくらいだ。」

「……お前ってホント馬鹿…。」

オレの目の前でコブシを作って力説するコイツにオレから出る言葉といえば、それしかなかった


 

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