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お鍋ぐつぐつ6★

葦原が、塔矢家の台所にあった品でだしをとり、アキラが出してきた鍋用のコンロと大き目の土鍋をヒカルと共に居間にセットして、なんとも不思議な鍋が始まった。
鍋の具材自体は一々豪華である。
冬の代名詞、牡蠣や蟹もそろっている。
鍋にはっただしが沸騰してきたところで、ヒカルが

「あっ、沸騰した!もういいかな?」

といって、蟹を掴んで入れようとした。
そこで、緒方の声が飛ぶ。

「進藤!まずは野菜からだ。 」

そういうと、白菜の固めのところを下にしき、その上に魚介を敷くように置いていく。
あまりの手際のよさに、

「すげ~、緒方先生、職人?」

ヒカルが感想を漏らすと、緒方は嬉しそうに微笑みながら、

「このぐらいは、男のたしなみだぞ。進藤、覚えとけよ。」

と、ご機嫌で箸を動かした。

「緒方さん、ホントは隠し妻とかいるんでしょ?で、鍋のたびにこき使われて覚えちゃったんとか??」

ご機嫌な緒方に水をさすような葦原に、緒方の無言の制裁…

『バシャっ』

温まっただしを緒方が菜箸で、葦原に向けて飛ばしたのだ。

「うわぁ!あっち~!!」

量も少ないし、距離も短いが、気を許していた状態で手の甲にポチャッとたれた熱湯は熱い…。

「ひどいですよ~緒方さん!!」

葦原の、情けない声が塔矢家に響いた。

 


 

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