★○ードキャプター ○くら 的ヒカルの碁3(後編)★

二人そろってニコニコしながら、しばらくみつめあっていたのだが…、ふとアキラは

(頭だけじゃなくって、もっとヒカルに触れて欲しいな…)

病気の人恋しさも手伝い…、温もりが恋しくなるアキラであった。

「ヒカル…、もっと傍に来て…」

熱でかすれた声で、せがむアキラが色っぽくて…ヒカルはドッキッとする。
こころなしか、自分を見つめる目が潤んでいる。

(アキラ…綺麗…)

なんだか、そんな彼をみていたら自分まで熱に浮かされたようになってしまい…彼の全てを叶えてあげたくなった。

「うん…」

小さく呟くと、ヒカルはアキラの上から抱きつくように彼を見下ろす。

「もっと…布団の中に一緒に…」
「うん…」

請われるがままに、布団に一緒に収まりしばらくじっと抱き合う二人。

熱が下がってきたとはいえ、アキラの身体が熱い。

「ごめん…オレ暑い…」

申し訳なさそうに身じろきするヒカルに、

「僕も暑い…。」

そういうと、アキラはヒカルの服に手を伸ばす。

「…アキラ?」

恋人の意図が分からなくて、ヒカルはシャツのボタンにかけられた手に自分の手を重ねる。

「服…脱いで…。僕も脱ぐから…」
「えっ、だって風邪引いてるんだから…だめなんじゃ…」
「お願い…」

暑さで理性を取り戻した頭に、アキラのかすれた声が耳につき…また、ジーンと麻痺したような感じにヒカルはなってしまい…。


「自分でやるから…」

と、布団の中で服を脱ぎだす。
アキラのほうは、来ていた薄地のパジャマを脱ぐだけだったので先に裸になり、恥ずかしそうに服を脱ぐヒカルを熱っぽい瞳で見つめていた。

全部脱ぎ終わったか、アキラが手を伸ばしてヒカルの身体を探る。
そのたびに、普段触れられることの無い場所を触られるくすぐったさに、ヒカルの身体が震える。

「ヒカル…全部脱いでないね…」

彼の身体を触りながら、下半身まで下がってきて…布に手が当たりアキラが抗議の声を上げる。

「だって、パンツは…恥ずかしいじゃん…」
「僕は脱いだ」
「だって…」
「ヒカル…」

アキラの潤んだ瞳で見つめられ、ヒカルは渋々下着を下に下ろす。

アキラは、その行為を幸せそうに見つめ、モジモジしているヒカルにまた手を伸ばす。
細い腰骨をとおり、ヒカルの中心に手を伸ばした瞬間、可愛い恋人は身体を大きく震わせる。

「アッ…や…なに?」

初めて人に触れられたソコは、敏感に反応し背中に電撃がはしるようであった。
今までは、少しずつ手探りのように身体を探っていたアキラだったが、ヒカル自身を掴んでからは何度も何度も、そこで手を動かす。
あまりの気持ちよさに、アキラにしがみ付きながらも…はじめてする行為に、戸惑うヒカル。

「や…ぁ…だ…。ア…キラ…、てぇ…はなし…て…。き…たな…い。」

涙ながらに、アキラに訴える様は、自分をあおっているだけでしかないとアキラは思う。

「大丈夫…汚くなんかないよ?出していいから…ヒカルを頂戴…」

うっとりと、アキラが呟くようにささやいた瞬間、ヒカルがはじけた。
頭の中が真っ白になる感覚と共に、興奮に息が上がっていたのを目をつぶってやり過ごす。

「ヒカル…気持ちよかった?」

アキラが優しく問うと、非難するようにヒカルがアキラを睨む。

「なんで…こん…な事…するんだよ…!?」

てっきり自分にイカされたことが嫌だったのかと思い…一瞬胸が重くなったアキラだったが、なにやらヒカルの様子がおかしい。

ポロポロ涙を流して、青ざめているヒカルの頭をなぜながら彼の瞳を覗く。

「ヒカル…?どうしたの??僕に触られるのが嫌だったの?」
「……。オレ…オレ変になっちゃった。オレ病気かな?こんなの出ちゃったし…すごい、変な声出しちゃったし…胸だってすごい早くなってるし…オレ…。」

真剣にうなる様に呟くヒカルに、アキラは唖然とする。
彼が、性に関しては疎いと思っていたが…ここまでとは!!


「ヒカルは…、自分でしたこと無いの?」
「自分で…って?」

アキラの問いに、心底不思議そうな顔で問い返してくる彼。

「だから…今みたいなこと…。」
「ないよ…。」
「その…ないんだ…。」
「ないよ?アキラはあるの?」

大きな目を更に大きくして、見つめてくる彼。
涙に濡れた、その顔を見つめているだけで自分には、そういった衝動が起きるのだが…。

アキラは、心の中で小さなため息をつく。


「ヒカル…今のは、変なことじゃないんだよ?」
「そうなの?アキラもするの?」
「自分でね…。生理的要求だよ。」
「ふ〜ん。でも…」
「うん。」
「なんで、アキラはオレにしたの?」

そんな事まで説明しなければいけないのか…と一瞬クラリとする。
彼の兄や父は一体何を教えているというのだ!

美しい母亡き後、母親似のヒカルは一家のアイドルであった。
故に、蝶よ花よ…では無いが、大事に大事に育てられた生粋の箱入りで、なによりも真っ直ぐ育てられている。一家の男達にとって、大事な一人娘ならぬ宝物に、悪い虫をつける要因など教えるわけも無かったのだ…。
そして、クロウカード探しに佐為の復活。
常に、佐為がいるためか…そういった、性について本人自身反応の無いヒカルであった。

そんなヒカルがはじめて味合う快感。
生理的要求なのは分かったが、アキラが何故自分に行ったのかが分からない。
自分とアキラのセックスなど、全く頭に浮かばない純粋培養なヒカルであった。

恋人泣かせのヒカルであるが、ここで正しい知識を入れておかなければ自分の未来が無い…。
そうアキラは思い、熱の引いてきた頭を総動員して考える。


「君は…今気持ちよくなかった?嫌だったの?」

そう問われて、ヒカルは少し首をかしげ考える。

「…気持ち…よかったよ。すごく…。」

消え入りそうな声を聞いてアキラは幸せそうな顔をして、笑う。

「よかった…。僕はヒカルが気持ちければいいな…って思ってしたんだよ。君のそんな顔が見たかったから…。」
「…ふ〜ん…。なんで?」
「君の全てが知りたいもの。君の全てを僕のものにしたいもの。」
そういうと、アキラはヒカルの精液にまみれた自分の手を口元に持ってきて、舐め始める。その行為に、ヒカルが驚きの声を上げる。

「アキラ!!駄目だよ!!」
「どうして?美味しいよ?君を感じるもの…」

蕩けるような笑顔で返されれば、ヒカルはなにも言えなくなる。

「でも、駄目!病気なんだから、変なもの食べちゃ駄目だ!!」

といって、アキラの手を近くのティッシュをとり拭いてやる。

「これでよし!」

そういって、アキラに爽やかな笑顔を向けると、アキラが困った顔で身体を引き気味にしている。

「どうしたの?」
「いや…」

アキラの様子がおかしいので、また具合が悪化したのかと、熱を見ようと額に手を伸ばそうとして、離れていた身体をピタリと近づける。

すると、なにやら自分の太ももあたりに当たる熱いもの。

(これって…)

恐る恐る、手を伸ばしてみるとアキラの体が大きく揺れる。

「アッ!」

アキラの熱く大きくなったものは、ヒカルが握りこむとドクドクと脈打つようであった。

「ヒカル…?」
「アキラも…一緒だ…」

熱に浮かされたようにうっとり呟くヒカルに、彼が何をしようとしてるのか意図が分からないアキラだったが、愛しい人に触られた自分自身は理性など無くなってしまった様に、ドンドン膨れていく。

「オレ…どうやったらいいのか分からないから…」

といいながら、先ほど与えられた快感をアキラにも感じて欲しくて…見よう見まねで、上下にアキラのものに手を這わせる。

「ヒカル…」
「アキラも…気持ちいい?」
「うん…も…う…出ちゃう…」
「うん…」

そういった瞬間、アキラ自身が白濁のものを吐き出し…、そのときのアキラの顔がとても綺麗で…。

それをもっと見たい…とも思うし、なんだか、自分の体もまた熱くなってきてしまうヒカル。

「アキラ…」

どうしていいのか分からなくて、アキラに抱きつけば若い二人の体はたちまちに火がついたようになる。

そうして、何度もお互いの手でこすりあったり、お互い自身ですりあったり…。

なんども、達して…。

基より、この日を夢見ていたアキラはもっともっと、ヒカルの奥に入りたくなる。

「ヒカル…気持ちいい?」

アキラの甘い問いかけに、初めての強烈な快感に、訳が分からないほど蕩けてしまったヒカルは夢うつつで呟く。

「う…ん…」

「ね…もっと、気持ちよくしてあげたい…」
「う…ん…オレも…」

熱に浮かされたようにヒカルが呟くと、アキラが抱きしめていた彼の体を後ろ向きにし…、その細い尻の割れ目に自分の大きくなったものを当てる。

「ヒカル…」

行き成りまだ触れられていないところに熱い物があてられて、ヒカルは急激に夢から覚める。

「アキラ?」

強く後ろから抱きしめられて…戸惑いを隠せないヒカル。

「大丈夫…痛くしないから…」

そう、アキラは優しく言うと自分のものをヒカルのお尻にあてて腰を動かす。
それと、同時にヒカル自身を慣れたようにしごきだすと、同時に与えられる感覚にヒカルの腰も自然と揺れ始める。

「…あ…ん…。やぁ…」

甘い声をだしながら、ヒカルがいった瞬間、アキラも達し…。

そんなことを何度も繰り返して、流石に二人とも疲れきって…じっと抱き合う。

「アキラ…、このままじゃ風邪引いちゃうから…。俺体拭いてやるよ?」
「いいよ…、もうすっかり元気になったし。」

君のおかげでね?と笑うアキラのおでこに軽い平手を食らわして…ヒカルは、元気に布団から飛び出る。

「だ〜め!まだ、病人なんだから!!オレすぐシャワー浴びてくるから、ちょっと待ってろよ?」
「一緒に入ろう?」
「だめ!!病人は大人しくしてる!!!」

とりあえず、軽く服をきると、流石にそのままアキラを寝かせるわけにも行かず、二人の液体でドロドロになったシーツを剥ぎ取り、アキラの体を軽くふいて、パジャマを着せる。

「じゃ、オレシャワー借りるね。すぐ、お前も拭いてやるから!」

そういうと、ヒカルは風呂場に駆け込む。

(一緒に入りたかったなぁ…)

残念そうに、布団にもぐりこむアキラだがその顔は満足げである。
ヒカルの恍惚とした顔を思い出して、また体が熱くなるのをじっと耐える。

遠くで、シャワーの音が聞こえるのを聞きながらアキラは思う。

(今度は、もっといっぱいキスをして…もっと、いろんなところを触ってヒカルを知りたいな。それで…ヒカルの中にはいりたいな…)

そんなことを考えながら、優しい水音に誘われるように、夢の世界に入る。

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『ジャー』

シャワーを浴びながら、ヒカルは先ほどまでのことを思い出す。
下半身がやけにだるい。
アキラの器用な手が自分に触れると、体に火がついたように熱くなって…いっぱい、変な声を出してしまった。
一人で赤くなっていると、自分の尻の間からどろりとした物が流れる。

細い足を流れる白い液体を見つめて

(アキラの…だ…)

最後に何度かされた背後からの、こすりあいを思い出し…

(あれがセックス…ってやつかなぁ?)

と、ちょっと間違った感想を抱く。

(オレ…大人になっちゃった…)

なんだか、ひどく凄いことのようで、また体が熱くなってきたのでシャワーの温度を水にして頭から浴び続け、布団で待つアキラの体を拭くべく妙に浮き立った気持ちでタオルと桶をもって風呂場を後にするのであった。


彼が、本当の男同士のセックスについての知識を得、驚きの声を上げるのは、まだ先の話。


◆終わり◆