★キミと僕とのひな祭り。14★

僕が、少し拗ねて進藤を見つめていると、進藤がお茶に口を付けながら

「あのさ、オレ達これからずっと一緒にいるんだから、ちょっとぐらいいいじゃん?」
「!…進藤?あの…」
「なんだよ、違うのかよ?」

今度は、進藤がちょっと膨れてみせる。
お茶で濡れた唇が少し突き出て色っぽい。

(僕を誘っているのか!?…って、じゃなくて…)

「ずっと一緒に…いていいの?」
「オマエみたいな、大変なヤツ…オレぐらいしか付き合えねぇ〜じゃん。」

そういって、進藤は意地悪く笑う。
その小悪魔みたいな仕草に、僕が誘われてキスをすると、進藤は大人しく目を閉じる。
今度は優しく…。

(キミが愛しくて仕方ないから)

唇を離すと、彼がため息をつくから…それに誘われてもう一度、顔を寄せようとする。
と、

「おい、今はここまで!!」

といって、顔を押しやられてしまった。

「なんで?」
「だって、オマエのお父さんまってんだろ?オレ達、孫も嫁さんも見せてやれねぇなら、したいって事させてやって親孝行するしかねぇじゃん?」

それくらいしか、できねぇじゃん?と彼が、ちょっと悲しそうに目を伏せる。

(そんな事を考えてくれたなんて…)

進藤の事しか見えてなかった僕は、彼の優しさに改めて胸が温かくなった。

「僕も、キミのお父さんとお母さんに親孝行するよ。」
「はは、負けず嫌いなヤツ!!ほら降りるぞ!」

彼はそういって、湯飲みを持つとふすまへ向かって歩き出す。
僕が彼の後を追うと、彼がふすまに手をかけて振り向く。

「な、塔矢。」
「うん?」

「オマエは、オレの特別に成りたいって言ってたけどさ。」
「うん。」
「オマエがいなかったら、今のオレはないんだぞ。」
「え?」
「囲碁はやってても興味持ってなかったし、努力もしなかったろうし…それに、こんな事もしないんだからな。」

そういうと、進藤は素早く僕の顎に

『チュッ』

キスをして…僕が驚いていると

「行ってるからな!!」

そういって階段をバタバタっと降りていった。

さっき痛めた顎はもう痛くない。
あんなに、憂鬱だった3月も、とても幸せなものに変わった。
そして、

(今は君との未来を信じられるよ。)

僕は、彼がくれた張り合わせの写真を見つめて、微笑んだ。

 

 

◆おわり◆

 


あれ?また写真ネタ…。ははは。
なんていうか…、結構ラブらぶなアホカップルです。
今回は、ヒカルが大人でした。
失ったものを知っているヒカルは、結構大人なところもあると思うのです。
そして、アキラさんがヒカルを好きなだけ周りが見えなくなる分、
ヒカルはアキラが好きな分、思いやりをみせるんじゃないかなぁっと、そんな二人であってほしいです。

この話は、メニューにあるイラストと連動しています。

また、TOPページにあるWEB拍手の小説に、この小説の母明子視点でのお話「母と息子のひな祭り」をUP。WEB拍手は5話までしか掲載されないので、後半部分をノベル部屋にUPしました。面倒ですみません〜。