★寒い夜★ それは深夜1時を回っていた。 院生の頃からの友達と集まってドンちゃんやって、乗れると思ってた終電を、うっかり逃しちまったオレ。 ちょっと寒いけど、酒で火照った身体には丁度いい。 (こんな時間に…?なんだ…??) オレが、首をかしげながら信号を渡りきると、オレの足元には散らばったガラスの小さな破片があって…。 座席に声をかけているおまわりさん。 その傍で、泣いているオレよりちょっと上ぐらいの年の男の人…。 状況は分からないが、堪らなくコワくなった。 恐いけど、見てしまう…。 携帯をかけて事故をみながらニヤニヤしているふざけたヤツもいる。
おまわりさんの横で男の人が泣いている声だけが、静かな夜に響いて。 さっきまで火照ってた体が一気に冷えて…暗闇を赤く照らす、パトカーの光も、コンビニのアカリも…全部が恐くなってオレは駆け出していた。 こわい…こわい…おれまだ死にたくない…。 佐為…お前もこんな風に恐かった?
あともうちょっとで家ってとこで、オレは息を切らしながら足を緩める。 オレが、息をととえながら歩いていると、前方にオレが見慣れた…決して見かけない髪形が見えた。 「塔…矢…」 「進藤!どうしたんだい?こんな時間まで」 そこには、オレの同居人であり…それ以外の関係もある…塔矢アキラが眉を吊り上げてて…。 「終電逃したから…」 「…なんで、ちゃんと調べておかないんだ!無いなら無いで、タクシーに乗ればいいだろう!?」 頭ごなしに怒鳴るように怒っている塔矢に、それでもオレはホッとしてしまって…うかつにもまた目頭が熱くなってしまって。 「ちょ…、何も泣くほど怒ってないだろう?」 「ないてねぇ〜!」 そういいながら、塔矢に首を絞めるみたいに、思いっきり抱きついてやったら塔矢が苦しそうに声をあげて、オレの背中をさする。 「く…くるしい…。どうしたの?進藤?」
オレが塔矢の方に顔をうずめながら、そういうと塔矢は観念したのかオレを抱き返して 「ごめんね、怒鳴って。君を待っている間すごく寂しくなったから…。君がちゃんと帰ってきてくれてよかった…。」 「ば…か…」 オレは悪態をつきながらも、ちゃんとコイツのところに帰ってこれた事に感謝した。 おわり ------------
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