★冷めてもおいしいけど…ね…★


「なぁ、塔矢〜!腹減った!!」

「君…さっきもラーメンを食べたばかりじゃないか…。」

「そうだけど…、冬って腹減るじゃん?冬眠の季節だからか?」

(……春でも夏でも、君はお腹をすかせていると思うけど…。)

アキラが呆れながら、そんな事を考えていると、ヒカルが何かを見つけて走り出してしまう。

「進藤!?」

「塔矢〜!これ喰お!!」

そういって満面の笑みでアキラを振り返る、その先には『肉屋・はなまる』

「今からお肉を買って食べるのかい?」

「ばか!お前喰ったことないの??これだよ!これ!!」

その指先には、ショーケースが。ショーケースの中には、コロッケたち。

「オレはね、メンチがすきなんだ!おばちゃん、メンチね!!」

ヒカルは元気よく、肉屋の店員に声をかける。

「お前、なんにする?さっき、ラーメンおごってもらったし、今度はオレがおごったる!ただし、コロッケかメンチかアジな」

そういいながら、早速店員から受け取った自分のメンチにかぶりつくヒカル。

その笑顔が、とてもうれしそうで…。

(僕はお腹はいっぱいだけど…)

「じゃあ、コロッケ」

「よっしゃ!おばちゃんコロッケね〜!」

「はい、熱いよ〜」

そう言いながら、笑顔で店員のおばちゃんがコロッケをくれて…

(暖かい…)

そうして、初めてかぶりつくコロッケはとても美味しくて

「お前ラッキーだよ!出来立て食べれんだぜ!」

「出来立てじゃない事もあるのかい?」

「ホント…お前こういうこと疎いのな…。出来たてじゃないことのが多いよ」

「そうなんだ…」

「な、上手い?」

アキラが、上品にコロッケをかじっていると、ヒカルが目をキラキラさせてみている。

「な、ちょっと交換しよ〜ぜ!」

そういうと、ヒカルはアキラのコロッケに被りつく。

「あっ!」

(僕が食べたところを進藤が…)

あまりに一瞬のことで、唖然としているアキラの目の前に、今度はヒカルのメンチカツが差し出され。

「ほら、お前も!メンチも上手いぜ!」

得意げな顔でアキラを見上げるヒカルにテレながら、メンチに被りつく。

「どう?」 更に目をキラキラさせるヒカルに…

「おいしいよ」


アキラは知らずにヒカルと同じ笑顔になっていた。

 

おわり

------------